◆ 舌でわかる体のサイン
― 東洋医学の「舌診(ぜっしん)」について ―
鏡の前で舌を見たことはありますか?
実は舌は、**「内臓の状態が唯一外から見える場所」**です。東洋医学では、この舌を観察することで体のバランスや不調の兆しを読み取ります。これを「舌診(ぜっしん)」と呼びます。
■ 舌と首・肩のつながり
舌は首の筋肉や神経と密接につながっており、舌の動きや形からも首・肩の状態がうかがえます。
たとえば──
舌がとがっている、出しにくい、動きが悪いという方は、首や肩にこりがあることが多いです。このタイプの舌は赤くなっていることが多く、体内の熱(炎症)や緊張が反映されています。
■ むくみタイプの舌:水滞・水毒
舌のふちに歯の跡(歯痕舌)がついていたり、全体がふくらんで大きく見える場合は、体内の水分代謝がうまくいっていない「水滞(すいたい)」のサインです。いわゆる”むくみ体質”の方に多く見られます。
- 手足が冷える
- 朝、顔がむくみやすい
- 胃腸が重い、下半身がだるい
こうした症状があれば、このタイプかもしれません。
■ 厚い舌苔(ぜったい):炎症の”かさぶた”
舌の表面には、白~黄~茶色の「苔(こけ)」がつきます。これは食べかすではなく、胃腸や体の炎症状態を反映しています。
特に厚い苔は、炎症の「かさぶた」のようなもの。炎症が長引いている、または治りかけの過程を示します。
たとえば、
- 逆流性食道炎
- 胃炎
- 胃もたれ
など、上部消化管のトラブルが背景にある場合があります。
■ 舌の裏の血管:瘀血(おけつ)サイン
舌の裏には、左右に2本の静脈が見えます。ここが太く浮き出て怒張している場合、「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りが疑われます。
瘀血は──
- 肩こり・頭痛・生理痛
- 更年期のほてりやイライラ
- シミ・くすみ
など、血流の滞りに関連する症状と関係します。
■ 白っぽい舌:気虚(ききょ)
舌全体が白っぽい、または青白い場合、体を動かすエネルギー=「気(き)」が不足している状態です。いわゆる気虚タイプ。
- 疲れやすい
- 風邪をひきやすい
- やる気が出ない
といった”エネルギー不足”のサインです。
■ 日々の舌チェックで「自分の今」を知る
舌は、日によって少しずつ変化します。体調を崩したとき、風邪をひいたとき──「今日はいつもより舌がむくんでる」「赤みが強い」など、日常の小さな変化に気づくことができます。
たとえば、発熱や胃腸炎のあと、舌がいつもの状態に戻っていれば「回復のサイン」とも言えます。
◇ まとめ
舌は、毎日の体調をうつす”鏡”のような存在です。薬や検査だけではわからない「自分の中のバランスの変化」を教えてくれます。
朝の歯みがきのついでに、ぜひ舌をチェックしてみてください。体からのメッセージを受け取る時間になるはずです。
※ 鍼灸サロンBIOでは
体のサインを丁寧に読み取っています。肩こり・自律神経の乱れ・冷え・むくみなど、舌にあらわれる変化をもとに、お一人おひとりの体質に合わせた施術を行います。
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